米議会、またも政府閉鎖「人質」に攻防　つなぎ予算巡り

議論の中心である米議会下院は12日に再開予定だ。月末にかけて政府閉鎖を巡る緊張が高まる可能性がある。

下院共和の保守強硬派「フリーダム・コーカス（自由議連）」は南部の国境警備の強化など複数の要望を掲げている。司法省や米連邦捜査局（FBI）の「前例のない武器化」を止めることも求めており、これはトランプ前大統領への訴追などを念頭に置いたものとみられている。

下院で共和を率いるマッカーシー下院議長はつなぎ予算の成立に前向きだ。政府閉鎖が米経済に負の影響を及ぼせば、強硬に抵抗した共和の支持率が低下しかねない。

ただ共和はわずかな票数で下院の過半数を握るため、マッカーシー氏は党内の少数派に配慮する必要がある。強硬派は議長の罷免動議も示唆して抵抗している。

米議会の攻防は、米政府のウクライナ支援にも影響を及ぼす可能性がある。下院共和の強硬派が資金支援の長期化に反対しているためだ。

米上院はウクライナに対して240億ドルの追加支援を実施するよう求めているが、つなぎ予算とウクライナ支援を同時に成立させるよう動いた場合は下院強硬派が強く抵抗する公算が大きい。

政府閉鎖を「人質」にする議会攻防は近年、常態化している。2022年も会計期末の9月30日になってつなぎ予算が成立した。複数回の延長の末、2023会計年度（22年10月〜23年9月）の予算が成立したのは22年末だった。

23年1〜6月には政府債務の法定上限を巡っても同様のせめぎ合いがあった。この際はマッカーシー議長がバイデン大統領と合意し、米国債が債務不履行（デフォルト）に陥る危機を直前に回避した。強硬派の一部はこの際の経緯にも不満を抱いている。

直近で大規模な政府閉鎖に至ったのはトランプ政権だった18年だ。1カ月以上の長期閉鎖となり、経済活動にも影響が出た。民主党政権ではクリントン政権の95年やオバマ政権の13年に政府閉鎖があった。

日本経済新聞　2023年9月12日 5:58 [
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11CT20R10C23A9000000/

アメリカ議会、またも政府閉鎖「人質」に攻防　つなぎ予算巡り - 日本経済新聞

【ワシントン=高見浩輔】米連邦議会で9月末の会計期末を控えた攻防が激しくなっている。バイデン政権は予算執行を続ける「つなぎ予算」の成立を目指す。対する野党・共和党の強硬派は政府機関を閉鎖に追い込む可能性をちらつかせ、自身の要望を認めさせようとしている。議論の中心である米議会下院は12日に再開予定だ。月末にかけて政府閉鎖...

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日本では全く報道ないけどこれマジやで