ロシア軍の攻撃で、中国の総領事館が被害

＞中国は、西からの北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）拡大と、東からの日米安保協力体制の強化が
軌を一にしていると疑っている。一極支配をねらう米国の新世界戦略が発動されたという認識は、
ユーゴ空爆、とくに中国大使館爆撃を経験して確信となった感がある。

当面、経済建設を最優先目標とする中国は、対米協調を外交の基本とする姿勢を変えていない。
だが、新疆、チベットなどの民族問題や台湾との統一問題を抱えており、人権擁護の名の下に
域外主権国への武力行使を正当化するＮＡＴＯの新戦略がアジアに適用されるとなれば、一大事だ。

＞中国人の多くは米国に憧れを抱いている。しかし一方で、煮え湯を飲まされる思いもしてきた。
北京へのオリンピック誘致運動への妨害、台湾への戦闘機供与、世界貿易機関（ＷＴＯ）加盟交渉の難航、
ベオグラードの大使館爆撃など、米国への恨みは募るばかりである。

（略）

第２の心配の種は、台湾問題だ。中国は、台湾統一がかなわないのは米国をはじめ大国の
干渉によると考えている。もし台湾独立を許せば、その時の指導者は、帝国主義に屈して
台湾を日本に割譲した李鴻章と同じ「民族の裏切り者」になってしまう。